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⾃閉症

自閉症

自閉症は、対人関係やコミュニケーションに困難を感じる発達障害の一種です。正式には「自閉スペクトラム症(ASD)」と呼ばれ、その症状の現れ方は個人によって大きく異なります。ここでは、自閉症の症状、原因、種類、治療法について詳しく解説します。

自閉症の症状は?

自閉症の症状は大きく分けて、対人関係の障害、コミュニケーションの障害、興味や活動の限定性の3つのカテゴリーに分類されます。

対人関係の障害

1.社会的な相互作用の困難

他人との交流が苦手で、目を合わせることや感情を共有することが難しいです。例えば、友達を作るのが難しい、集団での遊びに参加しにくいなどがあります。

2.共感の欠如

他人の感情を理解し、共感するのが難しいことがあります。例えば、誰かが悲しんでいることに気づかない、他人の気持ちを察することができないなどです。

3.社会的な規範やルールの理解不足

社会的な規範やルールを理解するのが難しく、適切な行動を取るのが難しいことがあります。例えば、話の順番を守る、適切な距離を保つなどです。

コミュニケーションの障害

1.言語発達の遅れ

言葉の発達が遅れることが多く、適切な言葉を使ったコミュニケーションが難しいです。例えば、2歳になっても言葉が出ない、話し方が一方的であるなどです。

2.非言語コミュニケーションの困難

ジェスチャーや表情を使ったコミュニケーションが難しいことがあります。例えば、笑顔やうなずきなどの基本的な非言語的なサインを理解したり使ったりするのが難しいです。

3.反復的な言語使用

同じ言葉やフレーズを繰り返し使うことがあります。例えば、テレビのセリフを繰り返す、同じ質問を何度もするなどです。

興味や活動の限定性

1.限定された興味

特定の物事に強い興味を示し、それ以外のことには関心を示さないことがあります。例えば、特定の車のモデルに異常に詳しい、特定のテレビ番組に執着するなどです。

2.反復的な行動

同じ行動を繰り返すことがあります。例えば、手をひらひらさせる、同じルートを何度も歩くなどです。

3.日常生活の変化への抵抗

日常のルーチンが変わることに対して強い不安を感じることがあります。例えば、学校の時間割が変わるとパニックになる、新しい環境に適応するのが難しいなどです。

自閉症の原因は?

自閉症の原因は完全には解明されていませんが、複数の要因が関与していると考えられています。以下は主な要因です。

1.遺伝的要因

自閉症の発症には遺伝的要因が大きく関与しているとされています。家族に自閉症の人がいる場合、その影響を受けやすいことがわかっています。

2.生物学的要因

脳の発達や機能に関わる異常が自閉症の原因と考えられています。
例えば、神経伝達物質のバランスが崩れることや、特定の脳領域の発達が異常であることが報告されています。

3.環境的要因

妊娠中の母親の健康状態や環境が自閉症のリスクを高める可能性があります。例えば、妊娠中の感染症や栄養不足、毒素への曝露などが影響することがあります。

4.発達過程の要因

胎児期から幼児期にかけての発達過程における影響も考えられています。例えば、早産や低出生体重が自閉症のリスクを高めることがあります。

これらの要因が組み合わさることで、自閉症を発症するリスクが高まります。

自閉症の種類は?

自閉症は広範囲にわたる症状を持つため、「自閉スペクトラム症(ASD)」と呼ばれています。ASDは以下のようにいくつかのサブタイプに分類されます。

1.自閉症(クラシック・オーティズム)

社会的な相互作用、コミュニケーション、興味や行動の制限といった典型的な自閉症の特徴を持つタイプです。症状の重さは個人によって異なります。

2.アスペルガー症候群

知的発達や言語発達に大きな遅れはありませんが、対人関係やコミュニケーションに困難を感じるタイプです。特定の分野に非常に詳しい場合が多いです。

3.広汎性発達障害(PDD-NOS)

自閉症やアスペルガー症候群の診断基準には当てはまらないが、社会的な相互作用やコミュニケーションに困難を感じるタイプです。

4.レット症候群

主に女児に見られる遺伝性の発達障害で、早期に正常に発達した後、2歳頃から急激に発達の後退が見られるタイプです。運動能力や言語能力が失われることが多いです。

5.小児期崩壊性障害

正常に発達した後、2歳から10歳の間に急激に発達が後退するタイプです。社会的な相互作用やコミュニケーション能力が大幅に低下します。

自閉症の治療は?

自閉症の治療は、個々の症状やニーズに応じてカスタマイズされます。以下に代表的な治療法を紹介します。

1.行動療法

行動療法

行動療法は、自閉症の子どもや大人に対して有効な治療法です。応用行動分析(ABA)などの行動療法は、適切な行動を強化し、不適切な行動を減少させることを目的としています。

2.教育プログラム

特別な教育プログラムは、自閉症の子どもの発達をサポートするために重要です。早期介入プログラムや特別支援教育は、社会的なスキルやコミュニケーション能力の向上に役立ちます。

3.言語療法

言語療法は、コミュニケーション能力の向上に役立ちます。言語療法士とのセッションを通じて、言語発達を促進し、適切なコミュニケーションスキルを身につけることができます。

4.職業療法

職業療法は、日常生活のスキルや感覚統合の改善を目的としています。
例えば、手先の器用さを向上させる訓練や、感覚過敏を和らげる訓練を行います。

5.薬物療法

場合によっては、行動や気分の調整に役立つ薬物治療が必要になることもあります。抗不安薬や抗うつ薬、抗精神病薬などが使用されることがありますが、医師と相談して適切な薬を選ぶことが重要です。

6.家族療法

家族全体で問題に向き合い、サポート体制を整えることが治療において重要な役割を果たします。家族療法では、家族全体で問題を理解し、協力して対処する方法を学びます。

7.グループ療法

同じような経験を持つ人々と交流することで、心の支えを得ることができます。グループ療法では、互いに支え合いながら治療を進めることができます。

最後に

自閉症は、適切な治療とサポートを受けることで、症状を管理し、生活の質を向上させることができる病気です。もし、あなたや周りの人が自閉症の症状に悩んでいる場合は、一人で抱え込まず、専門家に相談することをお勧めします。ココロセラピークリニックでは、皆さまの心と体の健康をサポートするために、さまざまな治療法を提供しています。どんな小さなことでも、どうぞお気軽にご相談ください。

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