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更年期障害による精神的症状とは?精神科医が徹底解説

[2025.02.14]

はじめに

更年期障害は、女性が閉経期を迎える前後に起こる様々な症状の総称です。ホルモンバランスの変化に伴い、身体的・精神的な不調を引き起こします。しかし、適切な対処をすれば、症状を和らげることができます。この記事では、更年期障害の症状、原因、診断、治療法について詳しく解説します。特に、精神的な症状に焦点を当て、専門家による心理的アプローチについても述べます。

更年期障害の症状

更年期障害には、様々な症状が含まれます。身体的な症状と精神的な症状があり、個人差が大きいのが特徴です。

身体的症状

身体的症状には以下のようなものがあります。

  • ホットフラッシュ(のぼせ、ほてり)
  • 発汗過多
  • 動悸
  • 不眠
  • 頭痛
  • 関節痛

エストロゲンの減少が自律神経の機能不全を引き起こし、これらの症状が現れます。日常生活に支障をきたすこともあります。

精神的症状

精神的な症状も無視できません。代表的なものは以下の通りです。

  • イライラ感
  • うつ気分
  • 不安感
  • 集中力の低下
  • 記憶力の低下

更年期は人生の大きな転換期でもあり、環境の変化に適応しづらくなることも、精神的な症状を招く一因です。

更年期障害の原因

更年期障害の原因は、主にホルモンバランスの変化にあります。しかし、心理社会的な要因も無視できません。

ホルモン変化

更年期には、卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の量が大きく減少します。このホルモンバランスの変化が、自律神経の機能不全や脳内の神経伝達物質の変調を引き起こし、様々な症状に繋がります。

エストロゲンは、骨代謝や心血管系、脳機能にも影響を与えるため、その減少は全身に影響を及ぼします。

心理社会的要因

更年期は、加齢やライフスタイルの変化、家族関係の変化など、様々なストレス要因が重なる時期でもあります。このストレスが、自律神経の乱れや精神的な不調を引き起こす可能性があります。

また、若い頃からの性格傾向や過去の経験(うつ病の既往歴など)も、更年期障害に影響を与えるといわれています。

更年期障害の診断

更年期障害の診断には、身体所見と検査所見、症状の評価が重要です。複数の医療機関に跨がる包括的な診療が求められます。

身体所見と検査所見

以下のような身体所見や検査が行われます。

  • 問診(症状の有無、時期、程度など)
  • 内診(子宮や卵巣の状態確認)
  • 血液検査(ホルモン値の測定など)

必要に応じて、他の精密検査(MRI、CT、心電図など)も実施されます。

精神症状の評価

身体症状の原因が特定できない場合や、精神症状が強い場合は、心療内科や精神科での診察が必要となります。

  • 自己記入式質問票(うつ、不安の程度を評価)
  • 面接による詳しい病歴聴取
  • 認知機能検査

医師は、これらの結果から総合的に判断し、更年期障害の可能性を評価します。

更年期障害への対処法

更年期障害への対処法は、症状の程度や個人差によって異なります。生活習慣の改善から、心理療法、薬物療法まで、様々なアプローチがあります。

生活習慣の改善

まずは生活習慣の見直しから始めましょう。

  • バランスの良い食事
  • 適度な運動
  • 禁煙
  • 十分な睡眠
  • ストレス管理

このような生活習慣の改善で、症状が和らぐ可能性があります。

心理療法

更年期は人生の大きな転換期であり、環境の変化へのストレスが精神症状を招きます。そこで、心理療法が有効な手段となります。

療法の種類 内容
認知行動療法 ネガティブな考え方のパターンを修正し、行動を変容させる
マインドフルネス 瞑想を通じて、現在の体験に注意を向ける練習をする
カウンセリング 専門家と対話を重ね、悩みを共有し、解決策を見出す

心理療法は、薬物療法との併用が一般的です。専門家による適切なサポートが重要となります。

薬物療法

中等度以上の症状がある場合、薬物療法が検討されます。代表的な薬剤は以下の通りです。

  • ホルモン補充療法(エストロゲン・プロゲステロン製剤)
  • 抗うつ剤(SSRI、SNRI)
  • 抗不安剤
  • 漢方薬

副作用のリスクもあるため、医師の適切な判断の下で慎重に行われます。治療経過に応じて、薬剤の種類や投与量を調整していきます。

まとめ

更年期障害は、ホルモンバランスの変化に起因する身体的・精神的な症状の総称です。しかし、適切な対処をすれば、ほとんどの症状は改善可能です。自分に合った生活習慣の改善、心理療法、薬物療法を組み合わせることが重要です。

特に精神症状に関しては、心療内科や精神科での専門的な診療が不可欠です。医師と相談しながら、自分に合った治療法を見つけていきましょう。症状による生活の質の低下を放置せず、積極的に専門家に相談することをおすすめします。

よくある質問

更年期障害の症状には何がありますか?

更年期障害には様々な身体的症状(ホットフラッシュ、発汗過多、動悸、不眠、頭痛、関節痛など)と精神的症状(イライラ感、うつ気分、不安感、集中力・記憶力の低下)が含まれます。個人差が大きいのが特徴です。

更年期障害の原因はなんですか?

更年期障害の主な原因は、卵巣からの女性ホルモンの分泌減少によるホルモンバランスの変化です。しかし、加齢やライフスタイルの変化、家族関係の変化などの心理社会的要因も関与しています。

更年期障害の診断方法は?

更年期障害の診断には、身体所見(問診、内診、血液検査など)と精神症状の評価(自己記入式質問票、面接、認知機能検査など)が重要です。医師は総合的に判断して更年期障害の可能性を評価します。

更年期障害にはどのような対処法がありますか?

更年期障害の対処法には、生活習慣の改善(バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠など)、心理療法(認知行動療法、マインドフルネス等)、薬物療法(ホルモン補充療法、抗うつ剤等)があります。症状の程度に応じて、専門家と相談しながら適切な組み合わせを見つける必要があります。

 

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